奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

立場

2013年4月16日

その人が立っている場所が立場である。吉村先生の立っている場所は「住む人」そのものであり、且つ自分の感じる世界であった。設計者は自分の感性で形や色を選ぶけれどそれは、絵を描く人、彫刻をつくる人、音楽を奏でる人、文章を書く人、すべての創作をする人に共通の作業であって、見る人・聞く人・住む人、の感性と響きあうものである。そこには明らかな交流がある。思う人と思いを受ける人は、住む人と設計者である。そこに現物を作る人の手と意見が加わって建物は出来上がる。三者の協力によって建物は出来上がる。それは当たり前のことだが、そうなってない場合もある。生産という工程の中にある「利益追求」という要素が、感性の交流を妨げていることはないだろうか。物を作る人にとって、よって立つ立場は原点である。