奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

古い音

2013年5月29日

吉村先生が設計された園田さんというピアニストの家があり、5月26日、その家で開かれた音楽会に参加させていただいた。その日はL.ベートーヴェンのピアノ四重奏曲変ホ長調作品16と、J.ブラームスのピアノ四重奏曲第3番ハ短調作品60の2曲であり、緊張に包まれた幸せなひと時を過ごした。驚いたのは、その楽器の年齢。ヴァイオリン・ヴイオラ・チェロ、のいずれもがベートーヴェンが生まれた1770年よりも前に製作されたもの。その「古い音」は歴史を物語り、景色を呼び起こし、風のそよぎまで感じさせる。びっくり仰天とはこのことなり。音楽ってスゴイ!あらためて感動。とてもじゃないが人間さまなんて小っちゃい小っちゃい。モクモクした鬘を被った貴族の面々がそろって聞き入っているさまが見えてきた。建物までが良い気持ちになって一緒に歌っていた。