奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

茶室


2014年5月7日

茶室研究会と称して学生のころ、春休みや夏休みに京都付近を歩いた。実測もした。

この年になって再び茶室の見学会に参加し、久田家半床庵を見た。なにも変わっていない。そこにあるものはじっとそこにあって、黙って昔を伝えている。いかに昔の茶匠が形に心を注ぎ、一瞬の光のよぎりに柱の皮や節の声を聴き、年を経て変わる色を選んだか。竹のほそさが壁のプロポーションをゆったりと暖かくし、いろんな内法の寸法が部屋にリズムをおこす。形に対する宗全の思いの濃さが感じられる。言葉で言うのは無理。見学者のため息が聞こえる。見学の最後、宗匠にお茶をたてていただいた。無上の豊かさを感じる日であった。

吉村先生も「僕は一人でたくさんの茶室を見て歩いた」と言っておられた。やっぱりそうか。この落ち着いた空間をもう一度みんなのものにする方法はないものか。