ベネトンオフィス 工場群                               Stabilimento e Uffici Benetton Treviso Italy

ベネトンジャパンのホームページのトップは、ベネトン本社のビラ・ミネッリです。

ベントンの創業者ルチアーノ・ベネトンは、1964年の本社工場建設から現在まで、 工場、

店舗、事務所、自宅までほとんどの建築をトビア・スカルパに任せてきました。

本社のビラ・ミネッリは、16世紀の邸宅で1970年にベネトン社が購入して以来、1972年から22年をかけて、順次改修されてきました。                               

                          (写真は、ベネトンジャパンのHPより2011.07)

1964   ベネトン工場・オフィス棟 新築

1986  1964年の工場をオフィスに改修

工場のトップライトとオフィスの屋根の全面葺き替え。電気、空調設備を新しくして、1964年から約20年使われた工場をオフィスに改修した。オフィスのレイアウトを自由にするためにコンセント、通信は、天井から黄色いジャバラで配線。

1980  自動配送倉庫 新築

酸性雨や大気汚染のために、石で仕上げた建築は、30年ごとに改修が必要とされています。

近代以降の建物、鉄筋コンクリート造は、コンクリートの劣化、防水、設備の耐用年数から、20年ごとに大きな改修をしないと使い続けられないと言われています。

20年経てば、人が建物に求める機能も変わります。

1985  工場 新築

1992  工場 新築

1970年代、ベネトン社の製品は、近隣の下請け縫製工場や内職で生産されていました。

こうして作られた製品を一カ所に集め、ヨーロッパ中に配送するための自動配送システムの倉庫がつくられました。

1980年代、ベネトンは、後染めのニット製品で大成功を収めます。内職から工場で一括生産する方式に変化してきたため、工場が同じ敷地内に相次いで建設されます。

2007  自動配送倉庫増築

2000年代になると生産拠点は、海外へ進出しはじめ、倉庫機能の充実のために1980年の倉庫の機能改修と増築が行われました。工場の敷地の樹木も成長し、工場群にもかかわらず、公園のようになってきました。

生産拠点の海外移行のため、老朽化した1985年のニット工場は、屋根の全面葺き替え、劣化したコンクリートの修復をして、展示スペースとして再生しました。

2010  1985年のニット工場を展示スペースに改修

1985年、工場の通路だった部分(写真左)は、ベネトンの歴史を展示するスペースになりました。

ベネトン工場の敷地全体。

30年にわたって 一人の建築家の設計により、 新築、増築、改修が繰り替えされてきました。

老朽化を理由に次々建替えずに、時代にあわせて大切に建物を使っていく事で、工場群でありながらこの地域の新たな風景になりつつあります。          

イタリア トレビゾ郊外  Castrette di Villorba