奥村まことのブログ 吉村順三先生に学んで

 

日差し

2012年12月26日

夏はギンギンと肌を差し、春は力が抜ける柔らかさ、秋は冬をめざし、冬は日向ぼっこ。光には四季折々、建物の中に入ってくるやりかたがある。障子に映る枝の影も面白い。軒先の形は基本線となり、雨のしずくの形も決める。動く影や雫はリズムとなって、建物のメロデイ―を助ける。住む人は見て楽しいし、日向ぼっこは人の心をなごませる。

愛知芸大の景色は大きく変わろうとしているが、これからの心がけ次第で、手入れの良い住まいとなる可能性もある。しかし、過去48年間の実績をみるとあまり信じられない。巨大な新音楽学部棟が自然に溶け込むか、さびれるか、心がけ次第。11月の8日に山形県のカネヤマ町の中学校を見学した。雪国でOMソーラーを採用した珍しい例である。20年たっているが、そのメンテナンスの良さと、日差しの中の生徒さん達の明るさが眩しかった。日差しは美しい。


新音楽学部棟建設工事現場・奏楽堂北側の道から/2012.12